船外機を正しく選ぶ・使う

船外機に関する主なトラブルと原因・使用方法・点検等・幅広くご紹介しております。

始動前点検

海上で万一・船外機が故障した場合、大きな事故につながる恐れがあります。折角の釣りがオジャンにならないために、ほんの僅かな時間でかまいませんので、始動前の点検は必ずするくせをつけてください。

燃料タンクに燃料が入っているか

今日の運航スケジュールを基準にして、必要量の燃料プラスアルファをつぎ込んでください。予備燃料タンクを持ち込めば、より安心です。 (注)2サイクルエンジンの場合は、エンジンオイル(当然メーカの推奨する2サイクル用)を混合した自動車用レギュラガソリンを使用してください。

4サイクルエンジンの場合は、エンジンオイル(当然メーカの推奨する4サイクル用)が規定量入っているか、オイルゲージで点検し、規定以下の時は補給します。

燃料タンクのエアベントスクリュウ(空気抜き)を緩めたか

タンク内に空気を入れてやらないと、燃料はキャブレターに流れていきません(図3)。

燃料コックを開けたか(インテグラルタンク)、燃料コネクターをしっかり結合したか(図4

セパレートタンクタイプは、初始動時に燃料の圧送(プライミング)をしなければなりません。プライマバルブの握りと離しを繰り返し、このバルブが硬くなったらオーケイです。

燃料漏れはないか

ガソリンは非常に気化・引火しやすい危険物です。ボート上での火災は逃げ場が海しかないため非常に危険です。タンク、タンクキャップ、コネクター/コック、ホース等の燃料系統部品から燃料漏れはないかをよく確認します。 もし燃料漏れを見つけて、完全な処置ができなかったら、始動をあきらめ販売店に持ち込み、修理をしてもらいます。

シフトレバーはニュートラルになっているか

2.9kw(4馬力)~3.7kw(5馬力)以上の船外機は、シフトレバーをニュートラルの位置にしないとエンジン始動できない機構となっています。しかし、これは以下の船外機はこの種の安全機構を備えていません。 もしシフトレバーを前進もしくは後進に入れたまま始動すると、ボートが急発進し乗船者の転倒や落水事故につながります(図5)。 2.6kw(3.5馬力)以下の船外機の多くはシフトレバーが取り付いていない直結式(エンジンが回転するとプロペラが回転する)です。このタイプの場合はスロットルを「スタート」位置にし、エンジン始動後直ちに低速に戻します(図6)。

緊急停止コードを身体に取り付けたか

緊急停止(エマージェンシストップ)コードを身体に付けずに運転し、落水した場合は、エンジンが停止せず暴走の危険があります。始動時及び運転時にはこのコードの先端を操縦者の身体に取り付けます(図7)。

スロットルを「スタート」位置にしたか

スロットルグリップ(もしくはレバー)には「スタート」マークがついています。始動時はこの位置に合わせます(図5)。

チョークを引いたか

エンジンが冷えている時の始動は、濃い混合気(ガソリンと空気の混合気)をたくさん与えないと始動が困難です。チョークを引くのはこのためであり(図5)、当然、始動後はチョークを戻します。 もし、チョークを戻さなかったり、戻しが遅いと燃料を飲み過ぎてエンストします。飲み過ぎエンストはスパークプラグの濡れや過濃混合気のために再始動が非常に困難となります。 (注)エンジンが暖まっている状態での始動は、チョーク操作は必要としません。 (注)チョークを備えていないタイプもあります。このタイプの船外機は他の始動補助機能を備えています。この場合の始動時スロットル位置は、全閉にするものがほとんどです。