前回の送水基盤でも説明しました様にポンプの性能をあらわす単位として、 揚程(圧力)や放水量はよく耳にします。ここでは水馬力について分かりやすく説明したいと思います。まず"水"という文字のつかない馬力を先に知っておく必要があります。 モーターサイクル好きの方はよく聞く言葉ですが、これは書いて字のごとく馬の持っている力?であります。 仕事量を数値化したもので単位としては、PS,HP,Kw,などがあります。
PS: | ドイツ語...Pfrese stakeメートル法で一般的に使われている。 |
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HP: | イギリス...Horse power PSより1%程多い。 イギリスの馬はドイツの馬より力があったかどうかは不明ですが......。 |
kW: | S1単位...これからは、この単位が主流となります。 |
下図1のように 1PSとは75kgの重り1秒間に何メートル持ち上げるかという単位です。むかしある馬を基準にして定められたようです。一般の人は、約0.25PS程度とされています。つまり75kgの人をせおって2階(約3mの高さ)まで上がるのに約12秒かかる計算です。読者の方も試されては如何ですか。ギックリ腰にならないよう充分注意してください。ポンプについているエンジンの場合、下図2のように考えたら分かりやすいと思います。
次に水馬力についてお話しします。これはポンプが水に与える仕事量のことで、75kgの水を一秒間でなんメートルの高さまで運べるか、という意味です。ポンプの性能を考えるならば、放水量:Q=m3/min、全揚程(圧力):H=kg/cm2とすると、水馬力=(H×Q)/0.45(PS)です。
可搬ポンプではエンジンの出力でポンプを動かして水を出します。このときエンジン出力=ポンプの水馬力、とはなりません。なぜならば、ポンプで水を出すときにポンプ内部の流れに伴う摩擦や衝突で生じる渦、軸受、メカニカルシールなどの摩擦による損失があるためで、水馬力は最高でもエンジン軸出力の70%程になってしまいます。これを効率といいます。またエンジンでもガソリンの持つエネルギー(ガソリンが燃焼して熱として出せる熱量)が エンジンの軸出力になるのは、熱として放出したり、各部の摩擦による損失によって約30%程になります。つまりガソリンの持つエネルギーからポンプの放水に使われる水馬力となるのは、約20%程しかないのです。放出する水は大切に使いたいものです。私たちも食べ過ぎ・飲み過ぎに注意し、効率よく仕事をしていきたいと思います。
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