前回のタービンポンプ、真空ポンプ、止水弁に続きまして、今回は可搬消防ポンプに無くてはならないが日陰の存在でもある「ガバナー」のお話をしたいと思います。
ガバナー(Governor)とは、日本語で調速機です。つまりポンプの運転中に負荷変動があっても、エンジンの回転数を一定の範囲に保持するための機構で、簡単に言えばエンジンのオーバーランを防止するための保護装置と放水時のエンジン回転数を安定させる装置です。
放水運転中、水利の水が不足し放水できなくなった場合、エンジンにかかる負荷がなくなりエンジン回転数が上がりますが、スロットルダイヤルを戻さなくてもガバナーにより一定回転に押さえられます。つまりポンプのスロットルダイヤルは、車やオートバイのアクセルと異なり直接キャブレターのスロットルに連絡している訳ではないのです。
ガバナーの作動は、気化器のスロットルバルブを開く方向に働くガバナースプリング(スロットルダイヤルに付いている)と、エンジン回転数によって得られるガバナーウエイトの遠心力を逆方向に働かせ、これをバウンスさせることにより任意の回転数に安定させようとするもので(図1)ガバナーウエイトは、エンジン回転が上がると遠心力により図2から図3のように外側に広がろうとします。この作動がスライダーに伝わり、ガバナーアームからシャフトの回転により、ガバナーレバー部でスプリングとバランスする力となります。すなわち、負荷が大きくなりエンジン回転数が下がると遠心力が小さくなるため、スプリングの張力によりスロットルバルブが開き回転数が上がる。また回転が上がりすぎると遠心力が大きくなり、スロットルバルブが閉じる方向に作動して回転を下げ、バランスのとれたところで安定する仕組みになっています。
ガバナーの作動には次のような厳しい規定があることも頭のスミに入れておいてください。高圧放水運転中、急激に無負荷状態にした場合において次の規格によること。
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